由井 辰美 滋賀県在住
10歳から山と共に
1964年生まれの私は、10歳でボーイスカウトに入隊したことがきっかけで登山を始め、以来山を愛してやまない人生を歩んできました。結婚後は夫婦で縦走、雪山、海外クライミングなど、様々な登山を楽しみ、30歳を過ぎた頃から岩登りにも挑戦するようになりました。
広く岩を登る
当時のクライミングは、広く岩を登ることが基本でした。国内外への遠征が主な活動でしたが、会社の経営に携わるようになり、長期休暇を取得することが難しくなりました。そんな中、短期集中型のボルダリングに魅力を感じ、週末は岩場開拓、平日はクライミングジムに通う日々を送るようになりました。同時に、登山とカヤックのガイドをアルバイトとして始めたのもこの頃です。
岩場開拓の日々
日本のボルダリングエリアも少なく、新しい岩場を発見しては整備・開拓に明け暮れていました。まずは年1~2回の海外ボルダリングツアーに参加し、そこで得た経験を活かして日本の近場の岩場を探し、開拓を始めました。フクベ渓谷の不法投棄撤去から課題設定、豊田の新しいエリア整備と課題設定、滋賀県内10箇所、東海地方4箇所の課題開拓など、多くの岩場で活動しました。
ITスキルを活かして
システム構築が得意な私は、趣味でボルダリングジムの顧客管理ソフトやホームページを作成していました。それが高じて、ボルダリングブームに乗り、開業サポートをソフトとコンテンツ込みで40ほどのジムに提供するまでになりました。そして、自分でもジムを運営したいという思いから、グッドボルダリングをオープン。滋賀でフィジカルとコミュニケーションを融合したジムを目指し、ITを駆使して運営しています。
岩場を守るために
近年、岩場の情報を得る方法が変化し、安全管理問題、アクセス問題、課題権利問題、行政との関係、オーバーユースなど、これまでになかった多くの問題が噴出しています。以前はクライマー同士の口コミや業界紙、掲示板が情報源でしたが、現在はSNSやYouTubeが主流となり、情報伝達のスピードが格段に上がりました。クライミング人口も増加し、十分な知識を持たないままクライマールールや文化を無視した行動によって混乱が生じています。モラルの低下だけでなく、課題情報が上書きされたり、開拓者の意向が伝わらない、地元との許可や話し合いが不十分なまま岩場が公開されるなど、様々な問題が発生しています。
そこで、これらの問題を解決するために、情報収集と発信を統一し管理することで、クライミングを文化として残していきたいと考え、このサイトを立ち上げました。多くの情報提供と、岩場でのクライマーらしい振る舞いをお願いすることで、地元や行政、世界で賛同を得られる滋賀の岩場を目指しています。
まずは、岩場情報の収集と発信をシステム化し、多くの人が運営に参加できる体制を構築することが目標です。皆様のご協力をお願いいたします。